厚岸シングルモルト 立春 55度 700ml 厚岸蒸溜所

— 春を待ちわびる、北の大地の物語 —

一年の始まりを告げる節気、「立春」。
凛と張りつめた寒気がいまだ町を包み込む、ここ北海道・厚岸町にも、確かに春の息吹は近づいています。
吹きすさぶ風の音が和らぎ、どこか柔らかな光が差し込むその兆しを、厚岸蒸溜所はじっと静かに待ち続けてきました。

そんな移ろう季節の中、じっくりと時を重ね、熟成のピークを迎えた一本。
それが、この「厚岸ウイスキー 立春」です。

【テイスティングノート】

■香り
グラスに鼻を寄せれば、まず感じるのは練乳や発酵バターを思わせる濃厚な甘やかさ。
さらにホイップクリームのようなふんわりとした柔らかい香りが広がり、
そこへ潮風のようなほのかな塩気、ハチミツの優しいニュアンス、
そして焼きたてパンのような、心まで温まる温かみが重なり合います。

■味わい
口に含めば、厚岸ならではの力強いピート香がまず押し寄せます。
その奥には、まるでシトラスミックスジュースを飲んだ時のような、
きらめく爽やかな酸味が弾け、続いて熟した柿の甘みが、そっと舌の上に顔を出します。

■余韻
フィニッシュには、ブラックペッパーのピリリとしたスパイス感が心地よく広がり、
柑橘ピールを思わせる上品なほろ苦さが続きます。
そして、ふとした瞬間にレモンライムサイダーのような清涼感が訪れ、
グラスを置いたあとにも、春の足音が静かに耳に残ります。

北の大地で育まれた時の恵みを、心静かに味わうひととき。
新たな年の始まりを、この特別な一杯とともに、祝ってみてはいかがでしょうか。